1.『教えるつもり勉強』
知識をただ入れるのと、それを人に伝えるのとでは、勝手が全く違ってきます。
例えば、高校レベルになるのですが、こんな問題があったとします。
He takes care of her cat.(her catを主語にした受動態に変えよ)
尚、答えは、【Her cat is taken care of by him.】です。
正直、解くだけなら解けるという人は多いのではないでしょうか。
では、『なぜこの答えになるか説明してください』と言われればどうでしょうか?
次元が変わったことが分かると思います。
人に説明するためには、単語や熟語、文法の知識の理解だけは不十分です。
それらがどう組み合わさってこの答えになるのかまで、順を追って述べる必要があります。
例えば、【of byって気持ち悪くない?】と言われたら、なんと答えますか?
―これを考えることがまさに、【応用力】の訓練にうってつけな学習法。
頭にかかる負担は大きいですが、その分のリターンもまた然り。
本当に誰かに説明する必要はありませんので、
勉強が苦手な友人や兄弟をイメージしつつ、
『どう教えようかな?』という目線で知識を入れてみましょう。
2.『共通点でくくる法』
https://support.office.com/ja-jp/article/%E3%83%99%E3%83%B3%E5%9B%B3%E3%82%92%E4%BD%9C%E6%88%90%E3%81%99%E3%82%8B-d746a2ce-ed61-47a7-93fe-7c101940839d
少し難度が高いですが、
『何か知っていることに似ていないかな・・』
という意識を持ちながら知識を入れるのは効果が高いです。
『○○とかけて、××と解く』といった謎かけみたいなイメージですね。
英語で言えば、
・can,will,should,mustといった助動詞は、
疑問文と否定分の作り方が同じだなあ
とか、
・それぞれ、別の表現で同じ意味にすることができるなあ
(be+able+to,be+going+to,had better,have+toなど)
とか。
そういった”くくり”ができると、記憶の定着は格段に高まります。
『自転車も原付も結局原理は同じだよなぁ』と気付けば、
途端に勝手がつかめるといった状況に似ています。
この学習法はやや上級者向けですが、
『知ってることと、つなげられないかなぁ』と意識を向けてみるのもまた一手です。
3.『キリが悪いところで終えちゃう法』
なぜドラマの続きが気になるのか?
なぜ週刊誌の漫画はあんなに続きが読みたくなるのか?
実はその答えはシンプルです。
【キリが悪いところ】で止めているためです。
【キリが悪い】とはつまり、【先が気になる】ということ。
そういう状況に置かれると、脳は勝手に”そこから先”を考えてくれます。
例えば、ドラマや漫画の続きについて、
友人と【こうなるんじゃない?】と話し合った経験はないでしょうか。
或いは自分で想像を膨らませたり。
実はこの効果は、勉強でも応用が可能です。
―少し話が複雑になりますので、軽い気持ちでここからは読んでください。
試しに、次に問題演習やテキスト暗記に取り組むときは、
【15分程度】でタイマーをセットし、制限時間を設けてみてください。
そして、それが鳴った時は、【どんなにキリが悪かろうが】そこで止めましょう。
ちなみに、新しい知識を入れる時間を作ったら、
そこから数分はあえて【何も考えない】時間を作ることが大切です。
記憶の定着は、ボンドが固まるのに時間が必要なのと同様、
ある程度放置することが要です。
さてさて。
こうしてキリが悪いところで学習を止めて休憩を挟むと、頭の中で一体何が起きるのか。
それは、【脳が勝手に問題を解いてくれたり、記憶を整理してくれたりすること】です。
皆さんも、人の名前など、
思い出したくてもどうにも出てこなかった・・という経験はないでしょうか。
そしてそれがふとしたタイミングでポン!と閃いたことも。
頭の上に電球が出るというのは、言いえて妙なイメージです。
僕らの脳は働き者で、意識を向けていなくても勝手に情報を処理してくれています。
上記のような、いわゆる【閃き】は、
無意識に脳が作業をしてくれた結果である、とも言われています。
―ただ、それは学習した情報がカオスなときや、
何かを必死で思い出そうとしたときのみ。
キリが”良い”情報は、そこで完結しているため、
特別脳が無意識に整理整頓する・・といったことが起きにくくなります。
またそうすることで、【学習に対する飽き】が来ることも懸念されます。
一話完結のドラマより、ストーリーが続くものの方が、
継続して視聴してしまうのと同じことです。
常識の感覚とは大きくずれているかもしれませんが、
あえて【キリが悪い】情報を作ることもまた極めて大切です。
―ということで学習方法の話はざっくりここまでですが、最後に1つだけ質問です。