今回イベントの仕組み作りに際し参考にしたのは、【お金2.0】と【革命のファンファーレ】という本です。
そして特に、前者の『持続的に発展するコミュニティ』という項を参考にしました。それは以下の5項目で成り立っていますので、実例と共にご紹介します。
①インセンティブ(動機付け)
これはシンプル。このイベントに参加すると得をするぞというのを思いっきり打ち出しました。
ピニャータとは、『くす玉的な何かを棒状のもので叩くという非日常感』と、『破壊できれば大量のお菓子を拾えるという物理的な報酬』がキモとなっています。
そして僕が何より意識したのは、『企画に生徒を巻き込むこと』です。例えば、ピニャータのデザインは、自分が作るのではなく生徒にお願いしました。
※ボロボロでやや手抜きなのにも狙いがあり、思い切り殴って壊れたらどうしよう・・という心理的バリアを無くすため、何度も補修して使っています。
また、中身のリクエストも聞きました。ゴディバとかは却下しましたが、それ以外はなるだけ反映させて、この中に入れております。
ってことで、まずは参加するとどんな良いことがあるのかを明確にするのは、本にあった通り大切だなと感じました。
②ヒエラルキー(階層の可視化)
言葉が難しいですが、簡単に言えば『抜きんでた参加者を見えるようにする』という感じです。スマホゲームで言うところの『ランキング』ですね。
今回は、ある種のクエスト(後述します)をクリアすることで、チケットを渡すという仕組みにしました。
すると、たくさんチケットを持っている人(つまりピニャータをいっぱい殴れる人)は、明確にわかります。お金持ちが札束をたくさん持っているのと同じですね。
ここは要素として地味ですし、ランキング表とかを作るのは手間が掛かり過ぎるので押引きが必要ですが、意識して損はないかなと思います。
③不確実性(ランダム)
基本、中身を一切ひねらなければ、一週間で飽きられます。だからこそ、クエストとして打ち出しながら、その内容は毎週変えたり足したりと変化を加えました。
例えば、最初はカボチャの数を10個にしていたのですが、毎週少しずつ足していき、最終的には25個にまで増やしました。自分でも把握できなくなりそうでしたが、これはウケたなと思います。
また途中から、『手品をやってくれたらあげる』という風なのも追加し、ランダムさを持たせるよう心掛けています。
これは簡単かつ大切なので、是非とも意識したいところです。
④即時性(リアルタイム)
③と少し似ていますが、例えば少しでも盛り上がりに欠けるといった想定がネガティブに作用しているのを感じれば、目の前でルールを変えることも行いました。
例えば、チケットが思ったより大量にはけたこと、そして利き手でぶん殴れば簡単に壊れると思ったことがきっかけで、『1枚なら利き手じゃない方で一発、3枚なら利き手で一発、5枚渡せば両手で一発』という風にアドリブで変えました。
少しでも面白くないと思ったら外す。少しでも面白いと思ったリクエストが出たら採用する。
もちろんある程度のケジメは必要ですが、この柔軟さも非常に大切だと感じます。
⑤交流(コミュニケーション)
狙った中で一番ハマったのはここです。とにかく、生徒同士でやり取りが生まれてくれたら嬉しいな、と。
まず、チケットは生徒間での受け渡しをOKとしました。だから戦略が生まれます。パワータイプのヤツにチケットを渡し、先に殴ってもらい、脆くなったところを自分がいく・・という作戦もできるようになります。
また、カボチャは校舎全てで25個もあるので、教え合い・探し合いという形でのやり取りも生まれます。一人だと恥ずかしいから、一緒にピニャータを叩こうよ!という声掛けもありましたね。
そして現在イベントも終わったので、校舎に隠していたアイテムを生徒にプレゼントしている最中です。
これは、『革命のファンファーレ』にあった、『お土産は喜ばれる』という項を確認したくて行ったのですが・・・。
その通りでしたね。何故かピニャータを殴るのに使った棒も、すぐ持って帰られました。
これからの校舎運営や、ひいては授業にも活かせそうなヒントが多い、こちらとしても実り多いイベントだったと感じます。
それでは、お読みいただきありがとうございました!