まず前提として知っておいていただきたいのは、『平均寿命の急激な延び』です。
これはグラフを見れば一目瞭然です。
http://www.garbagenews.net/archives/1940398.html
まさに絵にかいたような右肩上がりで、これがどこまで伸びるかはまだはっきりとはしないようです。
しかし世界的な傾向を見ると、平均寿命はこのまま100歳に近づき続けるとみて、まず間違いないとのこと。
実際、山口県内だけでも、100歳以上の方は2000人ほど居られるそうです。
また日本全体でも、2016年の時点で6万人を超えたそうです。
―ということを踏まえると、現在の人生のテンプレである『3ステージ型』のライフは、
もううまく機能していないのが明白・・という風に指摘されていました。
『3ステージ型』ライフとは簡単に言えば、『教育→労働→引退』の流れのことです。
22歳まで大学に行き、卒業と同時に働き、60歳くらいで定年退職。
確かに、僕が子どもの頃も、何なら今も、この流れは至極自然な話という風に説かれます。
―ですが、100歳まで、いや少なくとも80歳まで生きるとすれば、話は別です。なぜなら、60歳で定年退職したとして、20~40年もの間引退した状態(つまり無給)の人生を生きるのは非現実的だからです。
この問題の深刻さは、日本の社会保障費についてのグラフを見ればよくわかります。(何がどうマズいかは、是非考えてみてください)
https://www5.cao.go.jp/keizai-shimon/kaigi/special/2030tf/281020/shiryou1_2.pdf
―こんなことを言うと、『若いうちから貯金しておけばいいじゃないか!』という意見が聞こえそうですが、生活水準を少し下げたとしても、給料の20%以上を貯蓄に回し続けなければならないとの試算もあります。
自制心うんぬんはさておくとしても、少なくとも僕はそんなに金を貯める暮らしはできそうにありません。30万手取りがあったら6万を口座に突っ込み続けるなんて・・・。
もっと楽しいことに使いたいです。使わせてください。
・・・ここまで書くと、これからの世の中は超ロクでもないことになると思われるかもしれません。ですが、より正確に先のことをお伝えするため、もう少しだけハードな内容にお付き合いください・・・。
これからの夢とは?労働とは?
当塾、『かわしま進学塾』の教育理念は、『夢を見つけ、夢を育む』です。僕自身、この理念はこれから先もずっと通じる、大切な核であることだと強く感じています。
―ですが、その意味合いは多少変わらざるを得ないかなとも感じています。
どういうことかというと、一生の夢を見つける難易度が跳ね上がる、何なら不可能に近くなるということです。
言い換えれば、人生において、転職はマストということです。しかもその程度は様々で、同じフィールドの中で変わることもあれば、全く違う場面に飛び込むこともまた、普通になっていくことが予想されます。
ここだけ切り取ればお先真っ暗な未来しか浮かびませんが・・・実はこのプロセスそのものは割と一般的な話です。
例えば、プロのスポーツ選手が一生涯現役というのは不可能ですよね。ある程度の年齢で監督・コーチ・解説者・ライター等に転身し、7~80歳になっても働き続けているのは、それこそ簡単に例が浮かぶと思います。
要するに、これからの100年ライフにおいては、それが全職業・全員の人生に適応されるということです。
なぜそんなことになったか?それは、AIの台頭を筆頭とした、技術の急激な進歩のおかげです。機械にできる仕事はどんどんそれに取って代わり、その一方で新しい仕事が生まれていく。
スーパーやコンビニの店員が減っていく一方、ゲーム実況でメシが食える人も出てくる。テレビの力が激減する一方、配信者として地位を確立する人が出てくる。
―そんな状況下で、自分が死ぬまで残り続けると自信を持って言える仕事というのは、果たして今この時点で存在するのか、僕は甚だ疑問です。
だからこそ、夢や目標を持つことはこれからも大事なのに違いはありませんが、それらの消費期限についてもまた、考える必要があります。
達成した瞬間泥船に変わることも、可能性としては0ではありません。そうなったときに、また別の目標や夢を見つけ、自分の時間・労力を投資できるか?
こういった柔軟さ、変化に対する前向きなマインドセットが要です。実際僕自身、教育という分野は消えないにせよ、今の講師業という仕事がいつまで存在するかというのは、結構慎重に考えています。
―こういうことだけ書くと、長期の夢や目標については、考えるだけ時間の無駄という風に聞こえますね。ところがどっこい、実は少し目線を変えれば、極めて大事なプロセスとなります。
これからの世の中でより一層強く見つめなければならないのは、『アイデンティティ』と言われています。
つまり自分は、『何をするのが好きで、何をするのが嫌いなのか』であったり、『自分は何に重きを置いて人生設計をするのか』であったりを見つめ、その都度アップデートを重ねるという感じです。
そして、『本当にそうか?』というのを、例えば本業と並行してYoutuberをしたり、大学を卒業してから敢えてフリーターをしたりして確認する。こういう流れは、今後加速すると言われています。
言い換えれば、人生を通じて仮説と検証を繰り返す者が勝つと言えるでしょう。もはや変化は前提です。夢を見つけ夢を育む場面は、人生において何度もやってきます。
―こういうのを考えれば、教育の新しいカタチってのも輪郭は見えている気がしますが・・・。
まだまだ考えなければならないことは多そうです。
(ちなみに現在、ある実験的な講座を立案中です。仔細は出せるタイミングになったら案内しようと思いますので、ご期待くださいまし!)
・・・ということで、他にも面白い話は山ほどあるのですが、やはり読むのに掛けた労力は大変でした。(面白くて何度も読んだ!というのが帯にありますが、どれだけスタミナがあるのだろう・・・)
例えば今後の家族の在り方や結婚の良し悪しなども論じられていましたが、
実は漫画版もあるので、そちらを読んだ方が色々とお手軽だと感じます。
―では最後に、僕が考えていることを書いてみます。
僕自身は、こういう変化を前提とする世の中は賛成です。
理由は簡単で、その方が面白いと感じるからです。
僕自身の性格が超飽き性なのもありますが、単純に可能性に溢れている世の中の方がワクワクしませんか?
今の仕事がいつまで在るかわからないのと同様に、これからは何でメシが食えるのかわからないのです。一億総クリエイター時代ともいわれて久しいですしね。
現時点の勝者が、いつまでもそうだとは限らないのです。変化をサボった瞬間から、終了が始まる。このことは強く強く感じます。
―これから成長していく子どもたちは、本人の意思がどうあれ、こんな風に変わる世の中に立ち向かうこととなります。
だからこそ、もちろん限界はありますが、自分が調べたり体験したりしたことは、時間が許す限り積極的にフィードバックしてあげようと思います。
こういう時代の到来を悲観するのではなく、むしろ歓迎できるようなマインドになってほしい。
今一番強く感じているのは、正直それです。
―ということで、長文にも関わらずお読みいただきありがとうございました!
以上、中本でした。