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"メールが短い人"はAIに仕事を奪われる?!長い文章の読み書きできぬ子の末路とは...

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こんにちは!かわしま進学塾の野上です。

まずは以下の2つの文章を読んでみてください。

 

8月21日、高校野球・甲子園決勝(大阪桐蔭13―2金足農)

(A) 2本の本塁打を含む15安打13得点で攻守に圧倒し、大阪桐蔭が栄冠に輝いた。一回2死満塁から暴投や石川の右中間適時二塁打などで3点を先制。先発柿木は被安打5、7奪三振2失点で2試合連続の完投。金足農は、三回に佐々木の右犠飛、七回は菊地亮の右越え適時二塁打で追い上げたが続かなかった。

(B)大
実は(A)は実際の記者が、(B)は朝日新聞社のAI記者「おーとりぃ」が書いた戦評なんです。2018年の夏の甲子園からAI記者の記事が出始めているのです。試合の結果を元に、なんと「1秒」で記事が書けるそうです。
ということを踏まえて、今回はAIと子どもたちの読解力に関する記事をご紹介します。
いまの子供の3人に1人は、教科書の意味が正しく理解できていない。名門・開成高校の柳沢幸雄校長は「今の子供たちは長文を読み慣れていません。ツイッターやLINE、インスタグラムなどの文章はコマ切れだから、読解力が身につかないのでしょう。長文を読み、長文を書く力をつけるには、『話す力』を身につけさせるといい」と語る。なぜ「書く力」より「話す力」なのか――。

活字離れの誤解。今ほど「文字」に親しむ時代はない

活字離れが進んでいるといわれて久しい。

出版科学研究所が発表している出版物(書籍・雑誌合計)の推定販売額を見ると、1996年の2兆6564億円をピークに長期の下落傾向にある。2017年の紙の出版物(書籍・雑誌合計)推定販売金額は、1兆3701億円(前年比でマイナス6.9%)。ピーク時の半分近くまで縮んだ。確かに活字離れは進んでいる。

引用元:プレジデントFamily2018秋号

しかし、これは「紙に印刷された文字」の話だ。「デジタルの文字」が伝える情報量は圧倒的に増えている。東京大学合格者数1位を誇る私立の雄・開成学園の柳沢幸雄校長は次のように語る。

「ツイッターやLINE、インスタグラムなど、SNS上に書かれている文字の数は膨大です。今ほど、文字が社会に浸透している時代はないのではないでしょうか。子供たちはそれを読んでいるのだから、どの時代よりも文字に親しんでいるはずです」

 

読んでいる「文章の短さ」が問題だ

一方で、今の子供たちの文章読解能力が低いと言われる。

今年2月、AIで東京大学合格を目指す“東ロボくん”研究で有名な国立情報学研究所の新井紀子教授が著した『AI vs. 教科書が読めない子どもたち』(東洋経済新報社)では、読解力がないために教科書の意味が正しく理解できていない子が3人に1人はいるとして、衝撃を与えた。

文字があふれる現代に生きているはずの子供たちの読解力は、なぜ、低いのか? 柳沢校長の見解はこうだ。

「読んでいる文章の短さが原因だと思います。ツイッターの(書き込みできる)文字数は140文字と制限されています。SNSの投稿やLINEのメッセージも短い。内容もコマ切れになっていて、ひとつのことを長く説明はしていません。読解力をつけるには、やはり長い文章を読み込み、さらにそれをある程度長い文章で書くトレーニングが必要です」

柳沢校長によると、この「長い文章を読み(読解力)」「長い文章を書く(作文力)」という力の有無が将来の職業をわけるのではないか、という。

「世の中の仕事には、大きくわけて長い文章を読んで書く必要のあるものと、その必要がないものがあります。近い将来、多くの仕事がAIに奪われるといわれています。AIに奪われないのは、コミュニケーション能力や臨機応変さといった能力が求められる仕事とされていますが、私は、それに加えて、長い文章を読み、長い文章を書く力が必要な仕事も含まれると考えています」

 

短い文章の読み書きばかりではAIに負けてしまう

オックスフォード大学が2013年に発表した「10年後になくなる仕事」には「データ入力作業員」「電話販売員」「検査作業員」などが挙げられていた。一概には言えないが、単純作業やマニュアル化された仕事はAIやロボットが代行できるだろう。

しかし、ビジネスパーソンが報告書やプレゼンテーションの資料を作成しようとした時、多くの顧客データを分析したり、市場調査するための専門書を読んだりする。そして、相手が納得できるレベルの論理的な文章をまとめなければならない。必然的に読む文章量(インプット)も書く文章量(アウトプット)も長くなる。

引用元:写真=iStock.com/oatawa

そうした一連のプロセスをトータル的にこなすのは、AIでもそう簡単ではないはずだ。そう考えると「長い文章を読み、長い文章を書く力」が求められる仕事という柳沢校長の指摘は、核心を突いていると思われる。

ポイントとなるのは、扱う文章の「長さ」なのだ。大人も子供もツイッターやLINEなどショートメッセージの送受信に明け暮れる現代人は、そうした「長さ」対策を怠ってしまう傾向にあるのかもしれない。

でも逆に言えば、親が子供に「長い文章を読む力」を与えてやることができれば、たとえAIに仕事を奪われても、自分で本を読み、新しいテクノロジーや考え方を吸収して変化の早い時代に対応していけるのだ。

 

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