2015年11月。
僕がかわしま進学塾に入社したのは、2015年11月の話です。そこに至るまでの話も紆余曲折あって、我ながら面白いのですが、この経緯については、また機会があれば別の記事で書こうカナ・・。
さて。入社といっても、最初は契約社員からのスタートであり、1年間続けてみてそれでも・・ということであれば、どうかというスタートでした。まぁ、1年経ってもそれでも、ということだったので、今もこうして続けているというわけですね。
とはいえ僕自身の経験として、学生の頃に塾でバイトしていたとか、そういう類のモノは一切なく、あくまでも単に勉強が得意だったという、その程度の武器しかありませんでした。
それでも色々な生徒と接して、教えて、悩んでいればそれに答えたいと勉強して・・・という風に、我ながら献身的に接していたと思います。歳がまだ近いってのもありましたしね。
―先述の夢2つとは、そんな日々を送り、この仕事を続けてみようと決めた際に、ふっと心に浮かんできました。
1つは、「成人した教え子と杯を酌み交わすこと」です。
そしてもう1つは、「教え子と仕事をすること」です。
これらはいずれもどこか淡く、そしてただ時間が経てば叶いそうな夢と言われればそれまでですが、これを実現するのは冷静に考えると、なかなかに難しいものではないでしょうか。
時間が空いてもまた生徒から声を掛けられる存在であること。たくさんの思い出を作っておくこと。いい結果を出すために尽力すること。
具体的に何をすれば叶うのかを考えただけでも、つかみどころのない目標がたくさん浮かびます。
そしてこれだけでも大変なのですが、まだまだ現実的にクリアするべき部分もあります。
数年経ってもそこに校舎が存在すること。生徒にとって、立ち寄って顔を見せようと思える場所やヒトであること。
そして、僕がまだ働いていること。
自覚するのが難しい条件を言葉にして並べてみると、やはり時が経てば当たり前に叶う夢では、決してないと思わされます。(ネガティブ過ぎるといえばそれまでですが)
・・・・それだけに、この2つの夢は、自分の中ですごく大事なものとして、ずっと眼前にあるわけではないですが、心のどこかにふわふわと在り続けていました。
そんな2つの夢の内、先に叶ったのは、「教え子と仕事をすること」です。もっと言えば、「誰かに仕事として授業を行っている元生徒を見ること」ですね。
僕が直接授業を担当した生徒に限らなければ、実は数年前から達成されていたのですが、直々に教えた生徒が非常勤講師として入ってきたのは、去年のことです。(この中の誰かです)
当時は漠然と「もしそうなったら、すばらしいよなぁ」と思っていたのですが、今はもっと感慨深いというか、頼もしさというか、それでいて応援したい気持ちというか、色々と言葉にできない感情が渦巻いています。
もちろんその姿を見て落涙するといった、ちょっとヤバいことは流石に思っていませんが、ここまで色々な感情が込み上げてくるとは意外だっただけに、印象深く感じています。
そしてもう1つ・・・「成人した教え子と杯を酌み交わすこと」は、年始に叶いました。
しかも僕が誘われる形です。こやつらです🍶↓
※右のヤツは顔がとんでもなく真っ赤っかだったので、配慮しました
今学んでいること、思い出話、これからの話、今だから言えること・・。お互いがお互いに、講師と生徒という何か壁のある関係を超えて、自立した大人同士として語れたことを嬉しく思います。
次の日本気でグロッキーでしたが、そのくらいの揺り戻しくらい、ヘでもないです。
―そして、喜ばしい出来事は続きました。
1月8日、成人式。たまたま校舎で仕事をしていると、校舎の扉がガチャガチャと開く音が・・。
日曜日なのに郵便屋さんはご苦労様ですと思ったところ、そうではありませんでした。
艶やかな着物。風流なスーツ。
そして成長した姿。そうか、今日は成人式か!!
おいおい、僕の涙腺を崩壊させる気かよ!!
バレていたかどうかはわかりませんが、本気で目が潤んでいました。いい年こいて、泣いていたんですね。
歳をとって涙腺が弱くなったというのもあるでしょうが、シンプルに夢が叶った喜びの方が強かったかな、と。
もうすぐ僕は死ぬのかな?
ハレの日の、本当にめでたい出で立ち。屈託のない笑顔。変わらないところと、変わったところのコントラスト。
そんな光景を見ていると、心の底から、熱いものが込み上げてくる・・・。
その日に飲んだコーヒーは、やたらと美味しかったです☕
・・・さて。僕は今現在31歳です。そして今年、32歳となります。
周りの友人を見ていても、公私ともに転機を迎える人たちが増えてきました。
そういう姿を見ると、浮足立つ部分もあります。元々好奇心が強い性格なので、むしろ新しいこととか、リスクのあることは大好きです。
しかしこういう、成長を“待つ”という形の夢が叶ったことで、少し芯というか、しっかりと腰を据えてブレさせない部分も自分には必要だなと思うようになりました。うまく言葉にできませんが。
夢が叶ったことはもちろん嬉しいですが、夢が叶うとは一つ目標を失うことでもあります。
だから悲しさというほどではないですが、少し心に空白が生まれた気分ではありますね。
次の夢については、本当にふとした折に心へポッと、暗闇の中でろうそくに火が灯るように浮かんでくるのを、じっと待とうと思います。
何かまた、淡いけど、簡単ではないものが閃けばいいなと思いながら。
ということで僕個人の一人語りではありましたが、ここまでお読みいただきありがとうございました!