ではまず、実際は『時間の割に効果が薄いなぁ・・』というやり方についてです。
①教科書の写経は不要である!
たまにいます。教科書の本文全てをノートに写し、太字のところは赤ペンで書いて、びっちりと文字を書き連ねる生徒。
確かに、終わった後に達成感があることや、勉強やってる風に解釈できるという意味では否定しませんが・・。
掛かる時間に対する効果の面では、僕は正直かなり微妙だと思います。
例えば、以下の試験問題を見たことはあるでしょうか。
問:教科書P70ページの本文を書け。
問:三平方の定理について、教科書に書いてある通りに書け。
古代中国の科挙じゃないのだから・・・。
大半の問題は、例えば『当てはまる単語を答えなさい』であるとか、『○○したのは誰か』といった風に、”ヒントありき”で、”単語(数学以外ならせいぜい2行程度の記述)”を問うものです。
そのため、本文丸暗記作戦はあまり意味がないのです。厳しいことを言えば、書き写した結果出来上がるのは、クオリティ低めの教科書のまがい物。
だからこそ、『教科書を写経する』学習方法は、即刻封印するべきだと言えます。
②睡眠時間を削って勉強はするな!
名だたる経営者の方や実業家も、睡眠の大切さは何度も唱えているテーマです。
正直、ショートスリーパーと言う全人口数%程度の特殊体質でない限り、睡眠時間を削るのはナンセンスです。
一説によれば、睡眠不足の状態での脳の働きは、酔っ払い状態に等しいとさえ言われています。
個人的には、十分に寝た人の1時間の学習は、寝不足の人の数時間の学習を、全てにおいて上回ると感じます。
それだけ集中できる時間の長さや、深さに差が出ます。そんな体調で万全な準備が出来るとか、本番で全力を出せるとは、僕は思いません。
最低でも6時間、疲れているときは9時間、睡眠時間を確保するように努めましょう。
時間量で下回ろうとも、質で上回れば勝ちなのです。
③ながら勉強は最悪だ。
ながら勉強。最たる例としては、イヤホンで流行の邦楽を聞き”ながら”勉強・・ではないでしょうか。
正直、そうされるくらいなら、30分学習に集中し、その後で15分音楽鑑賞に集中してもらった方が数百倍マシです。
例えば、歴史の教科書を読みながら、数学の証明を同時に考えるのは、実質不可能です。
たまに『できる!』という生徒がいますが、それはあくまで『超短時間の集中を繰り返しているだけ』にすぎません。
その超短時間(数秒~数分)で、結構ゴチャついている証明をどこまで理解できますか?また、歴史の人物名をいくつ覚えられますか?
ながら勉強は集中を奪う最悪のツールの一つです。誘惑に負けるから仕方ないという甘えは、厳しく聞こえるかもしれませんが話になりません。
何かをするときは、その何か”だけ”に集中すること。これは、学習に限らず、日々のあらゆることに共通する基本事項です。
―ということでありがちな事項をあらかた否定したところで・・。
次のページでは、『科学的に効果ありとされている』、『著名人が推薦する』、或いは『生徒が実際取り入れて結果を出した』学習法を、紹介していきます!