大問4 グラフ読解系
新傾向になってから追加された形式。難易度でいえば「やや難化」だと感じています。
本当になんとなくなのですが、やっぱり「共通テストっぽいなぁ」という感想を持ちましたね。
(1) 分数の書き方という珍しい問題。Two-thirdsで「2/3 ≒ 約66%」という閃きが得られれば書けはするものの・・・。正答率は低い印象です。
(2) Howeverの働きを理解していれば解けるはず。「たった30%ほどの旅行者しか、観光の際、温泉に立ち寄っていません。しかし、~」に続く文なので、「少ない➡でも➡多い」みたいな流れを考えたい。グラフを見ると唯一、「もう一度日本に来たら、したいこと」が「日本にいる間にしたこと」を超えているので、そこでも気づける。個人的にこれが一番の良問。
(3) 一つ一つが長めの選択肢ほど、最後の2~3単語がオカシイ可能性が増えるため、ちゃんと文末まで検証できたかがカギ。これは消去法の方が無難かなと思います。一応、解答をジャッジする方法について、目安を書きます。
1 「どうやって他国の面白い場所を、日本人に周知させるか」みたいな意味。最後の2単語のせいで×。
2 最後まで読むと「料理」限定なので×。
3 町へ旅行者を増やしたい、という思いは本文下から3行目にあり。
4 外国について学ぶためにどうインターネットを使うか、という意味。まるで関係なし!
・・ということで、この大問も結構歯応えがあったのですが、かといってここで時間を食いすぎると長文・英作文に響くため、練習量がモノを言ったかなと思います。
大問5 エッセイ読解系
この大問は、はっきりと難化した印象です。特に選択肢の検証が難しく、適当にやると確実にフェイクのそれに導かれます。ゆえに、ここで差がついたかなと。全て丁寧に解説すると膨大な量になるので、手短にまとめます。
(1) a 夕日を見たのは最終日の話。なので×。
b 地元の人について学んだわけではないので×。
c 「彼らが多くのゴミを生み出した!」ちょっとひどい選択肢。×。
d これが正しい、というより他が違うのでこれを残したい。
a 「友人からいいコメントをもらえたから」であり、4段落目を端的にまとめていることから〇。
b 「皆の前で踊れなくて悲しかった」という架空の話。×。
c 友人が盆踊りをして感動したとあるが、Mahoが実演したってだけなので×。
d 浴衣を着ることは彼女にとって特別・・ではないと、4段落目5行目にあり。×。
a 「夕日を見ることなくバレーを楽しんだ!」正直笑えるほど違う選択肢。×。
b 友人との話が尽きなかったとあるが、夕日を見ているときは感動で言葉が出ていないとあるので×。
c 訳出が難しいが、「友人が持っているのと同じ気持ちを抱いていると思ったから」が、つまり5段落目の最終文の内容を言い
換えたものなので〇。
d 最後の2単語が余計。海外の人に日本語で感想を伝えてどうする?×。
a 「オーストラリアに戻って浜辺を掃除したい!」殊勝な心掛けですが書いてないので×。
b 「“日本の”ビーチに行って、もう一度友人と夕日を眺めたい」とのこと。日本の、が余計。
ただし時間が無くて焦った子は選んだ可能性あり。×。
c 「海外の国だけでなく、日本についても学びたい」の意。最終段落の下から2行目以降の内容の要約であり、つまり〇。
d 「LuisaとPloyを除いて、多くの人に会いたいと思っている!」・・酷い。×。
(2) そもそも、時制をみて「過去形で答えないとなぁ」と気づけないと絶対に減点という恐ろしい罠のある問題でしたね。
① realizedが模範解答だが、今年の問題の中で一番閃きにくい問いだと思います。尚、別解としてrecognizedもギリギリOKかと思います。(ただしこれ自体も難しい単語ですが)
② 「LuisaとPloyが私たちに彼女らの伝統衣装を( )」という内容なので、「紹介した」というintroducedは閃きたい。
個人的な感想ですが、去年が正直「易しかった」だけに、反動で長文の難度がちゃんと上がったという感想を持ちました。
速読というより精読力の方が求められた問いだと思います。
大問6 英作文
「メールのいい点を述べる」という風に、立場が限定された英作文は初の出題かと。
しかも「We have two reasons」というフレーズがすでに出ていることから、それで文字数を稼いでいた子は面食らったかもしれません。
例えば、
① 何回でも読める
② 何度でもチェックできる
③ 書き直すことができる
といった点をまとめて一文にしたいところです。
―ということで英語についての感想をまとめてみましたが、どちらかといえば「難化」したのでは、という印象です。そしてリスニングの傾向変化でも感じましたが、「英作文以外でスペルを書く問題が年々減っている」のが顕著だなと思いました。実際、スペルを書く必要がある問は、英作文を除けば6つのみです。(他は全て何かしらの選択)
これを踏まえれば、学校のカリキュラムの難化に合わせて、英語自体の難化ももうしばらく続くのではないかと僕は思います。(共通テストも似たような流れはありますので)
対策のためには、例えば新研究をやりこんで基礎力を”鍛えつつ”、英検3級などの実践的な検定に積極的にチャレンジして、広範な経験値・力量をしっかり身に着ける必要があると言えます。
乱暴に言ってしまえば、「単語や文法、熟語が分かるのはもう前提。あなたの英語力の高さを、リスニングや長文読解、英作文で点を取って証明してみて」といったメッセージを僕は今年の入試から”も”感じました。
・・手短にと言いながら、気づけば4000字まで膨らんでしまいましたね。
さすがにこの辺で筆を置きたいと思います。
では、お読みいただきありがとうございました!
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