こんにちは!!山口市の学習塾『かわしま進学塾 宮野校』の岡村です。
とても興味深い記事を見つけたので皆様にご覧になっていただければと思います。
子どものやる気をアップする“時系列式”のほめ方とは?
私自身、「ほめて伸ばすこと」を推奨している一人ですが、何でもほめればいいかというとそうではありません。この記事では、良いほめ方、悪いほめ方の見分けと、子供のモチベーションアップにつながる効果的なほめ方の秘訣についてお伝えしていきます。
叱ることと比べると、ほめることは簡単に思えます。しかし、ひたすらほめればいいかというとそうではありません。叱り方に良し悪しがあるように、ほめ方にも良し悪しがあります。
ほめたことで子供が傷ついたり、やる気をなくしたりするなんて、ちょっと信じがたいかもしれませんが、実際には、悪影響をもたらすほめ方というのが存在します。その良し悪しの線引きをクリアにし、上手にほめるコツをご紹介していきます。
こんなほめ方に注意! その1:ほめ過ぎ
子供はほめられるのが大好きです。親も叱るよりはほめる方が得意です。しかしそれがエスカレートし、ほめ過ぎ状態になると、子供のモチベーションが急降下することがあります。とくに、
- プライドが高い子
- 性格的に慎重な子
はその影響を受けやすいと言われています。
ほめられるのが大好きな子供たちは、親に「できる子」のレッテルを貼ってもらえれば大喜びです。しかし、そのレッテルを貼られた以上は、メンツを守らねばなりません。とくにプライドが高い子やリスクに対して慎重な子は、何とかして“いい顔”を守りたいと思ってしまいます。そんなプレッシャーにさらされた子供たちは、それを叶える解決法を編み出します。それは「回避行動」。
失敗を恐れるあまり、あえてリスクを冒すようなチャレンジを避け、逃げてしまうようになるのです。親からすれば、その様子は、「やる気がなくなった」ように映ります。実際は、やる気がなくなったわけではなく、気負うあまりに二の足を踏んでしまっているのに……。
「ほめて伸ばす」が主流の現在、ほめればほめるほどモチベーションが上がるのではと親は思いがちです。しかしほめ過ぎは、子供に逃げ場を与えないので、結果的にモチベーションの低下につながってしまうのです。
こんなほめ方に注意! その2:数字でほめる
とくに、ほめたことで悪影響が出やすいのが、知能だということが分かっています。「あなたは算数が完璧」「いつも100点ですごいね」のように、能力ばかりをほめてしまうと、子供たちは、その基準を達成できない自分を受け入れにくくなってしまいます。「100点=いい子」ならば、「50点=悪い子」に思えてきてしまうからです。それにより、自己肯定感の低下を招いてしまいます。
点数や成績をダイレクトにほめるやり方は、人間の価値を数字で測ってしまっています。私たちは今、「全教科100点」「年収1000万円」のように、より高い数値を良しとし、それらを追い求めてしまう競争社会に置かれています。でも子供の価値は、数字で測れるものではありません。
知能や才能などは、その子の魅力の1つであって、その子自身ではないことを、親がしっかりと区別して接する必要があります。幼少期からのお受験などで勉強のウェイトがますます大きくなっている現在では、なおさら意識していかないと、いつのまにか、親自ら、「100点=いい子」という目で見ていた、なんていうことになりかねません。
また、親の”物の見方”は子供にも伝わります。親が、子供の知能、才能、能力ばかりをほめてしまうと、子供も、物事を条件や肩書きで判断するようになってしまうので注意が必要です。
フォーカスをずらすと良いほめ方に!
ほめ過ぎが悪影響であるのなら、ほめるのをやめたり減らしたりすればOKなのでは、と思いますが、話はそう単純ではありません。「叱るよりもほめる」「ほめて伸ばす」が育児書でも推奨されているように、やはりほめることは育児になくてはならないもの。親に必要なのは、正しくほめるためのスキルです。では、どうどこをどうほめるのがいいのでしょうか?
子供が100点を取ってきたら、親ならだれだって嬉しいもの。ほめたくなるのは当然です。もちろん、ほめていいのです。ただ、その際、フォーカスをずらすのがポイントです。
100点を取った背景には、必ず、その子の努力があります。
- この1週間、毎日、漢字ドリルをしたこと
- いつも見るテレビを半分にしたこと
- 苦手なところをママと一緒に繰り返し復習したこと
などなど。自分を律することができたこの頑張りをほめてあげるのが、「正しくほめるためのスキル」です。
正しいほめ方は“時系列式”
育児書などでも、「結果ではなくその過程をほめると良い」と推奨されていますが、まさにそれです。結果である「100点」にばかり注目するのがNGなのであって、そこに至る過程をしっかりとほめてあげることは非常に大切です。
コツとしては、
- テレビやゲームを減らした
- 毎日コツコツと頑張った
- 苦手を克服した
という努力が、
- 100点につながった
と「時系列に沿ってほめる」のがおすすめです。
過去をほめの起点とし、現在へとたどることで、「100点」という結果にすぐに飛びつきたくなるクセを解消しやすくなります。また、時系列式のほめ方であれば、努力の意義を子供も再確認できるので、「次もまた今回みたいにがんばろう」と思え、やる気が持続しやすいのです。
過程をほめればモチベーションアップになるのに、結果をほめるとモチベーションはダウン。同じ嬉しい出来事でもどこに注目するかで、その後のモチベーションが変わってくるのです。子供の心をしっかりと理解したアプローチをしてあげたいですね。
時系列でほめる際のポイントは、
- 具体的にほめる
- 素直な気持ちを込めてほめる
ということ。
■1の「具体的にほめる」の解説
「おりこうさん」「すごい」「えらい」などは、まさにありがちで、何にでも使えてしまうほめ言葉。これらの抽象的な言葉よりも、もっと具体的な”行動“や”心構え“に落とし込んだ方が、子供心にしっかりと伝わります。
「この間の金曜日、漢字ドリルを3ページもやったでしょ。あれが今回のテストで出たんだね」
「さっきの計算問題、すごく集中してやっていたね」
とお子さんの頑張りを具体的な言葉で表現していきます。
■2の「素直な気持ちを込めてほめる」の解説
子供のやり遂げたことに対し、「最高」「完璧」と大げさに賛辞を贈るよりも、パパやママの素直な気持ちを伝えた方が、子供には響くもの。
「ママ嬉しいな」
「パパ、涙が出そうだったよ」
とその時の思いを素直に言葉に表せたら、それは子供にとって最高のほめ言葉になります。
紹介させていただいた記事にある『ほめ過ぎ』や『数字でほめる』については、かなり耳の痛い部分があります。
安易に『ほめ過ぎ』た事によって、物事を成し遂げる事よりもほめられることの方に重点が置かれてしまっている子どもを何人も見てきました。彼らは目の前にある自分に出来そうな事象に関しては、それを成し遂げることによって他者からほめられる材料となるので、積極的にそれを取り組みます。ですが彼らにとって明らかに困難な事象に関しては『出来ない=ほめられない=やる価値が無い』という図式が成り立ってしまい、最初から取り組まないというケースがあります。
逆に困難な事象に積極的に取り組める子どもの特徴は『他者からの評価』のみを気にするのではなく、『自分で自分を評価できている』、言葉を変えるとマラソン選手の高橋尚子が言っていた『自分で自分をほめたい』を少なからず実行できている点です。
『ほめられる事』に成功報酬を置くのではなく、『物事を達成できた事』に対して自ら成功報酬を感じられるように、上の記事にある『時系列に沿ったほめ方』によって一人でも多くの子供たちにその感覚を構築させていきたいと思います。