① 手間をできるだけカットする
まずやるべきことは何か。それは、自分が継続したい、取り組みたい事柄に関する手間を、できる限り消しておくことだと考えています。
例えば僕の場合だと、始業時に確認が必要なシートやページは、Googleを開くと自動的に立ち上がるような設定にしています。勉強の場合だと、自分が取り組んだページには、必ずポストイットを挟んでおくこともそうだと言えます。
新しい習慣が継続しない一番大きな原因は、大抵めんどくさいと思うようなポイントをそのままにしていることが理由だと思います。めんどくさいことを、人は継続しません。それが大切なことであっても、です。
逆に、没頭するゲームやアプリは、なぜあれほどに夢中になれるのか。そのコンテンツそのものが魅力的なのもありますが、基本的にユーザーがそれに行きつくまでの無駄が、徹底して省かれていることも多いです。
ボタン一つでゲームが始まる。電源を入れれば親指の位置にアプリのアイコンが置かれている。そんな風に。あるいは自分なりに、無意識に無駄をカットしていることもよくあるので、自問自答してみると面白いかもしれません。
「無駄な手間」をそのままに、さして改善もせず「頑張る」だけでは、すぐ心が折れます。
いかにしてラクをするか?無駄を省けるか?
この思考は決して怠け心ではありません。削れる工程は、どんどん削っていきましょう。
② データを集めて検証し続ける
①の項目に繋がってくるのですが、工夫のために絶対必要なのは何かというと、僕はデータだと考えています。特に自分自身に関するデータは、意識的に集めて分析しなければ、そう易々と気づけるものではないと断言していいくらいです。
例えば、以下の質問に、皆様はいくつ答えられるでしょうか?
「あなたが一番、演習に集中できる時間帯はいつですか?」
「あなたは大体どれくらいの間、集中を持続させることができますか?」
「インプットとアウトプットは、それぞれどれくらいの比率で行うと効率がいいですか?」
「休憩中は何をして過ごすと、効果が高いですか?」
―などなど。これらを認識するためには、ストップウォッチ片手に、意識して自分に問いかけ続けるしかありません。
こうやって自分に関するデータを集めておくことで、ある種自分の特徴が見えてきます。例えば、朝に集中力を要する単元を持ってきた方が、やはり良さそうだ、という風に。
ここは「こうやったらどうなるだろう?」という仮説を立てるのが、自分のデータを集める第一歩となります。まずは意識的に、ルーティン化している自分の学習サイクルを疑うところから始めてみてはどうでしょうか?
「今無意識に、いきなり演習から始めたけど、教科書の確認から始めたらどう変わるだろう?」という風な疑問を持つことができれば、しめたものです。
毎日、自分を観察するという自由研究を行うイメージで、取り組んでみてください。かくいう僕も自分については、日々データを集めまくって遊んでいます。
③ 長期の目標は、基本忘れておく
長期の目標を立てることを、僕は否定しません。しかしそれをいつも眼前に突き付けるのは、自分には合わないとも感じています。
例え話で考えてみましょう。10㎞のマラソンを走るとして、あなたはどのようにしてレース中のモチベーションを保ちますか?
もちろん、常に残りの距離を確認しながら走る人もいると思います。「あと9㎞、あと8㎞、あと7㎞・・・・」という風に。僕も10㎞程度の時間と負荷ならば、そうするかもしれません。
しかし、これが2か月、3か月という長期の計画になってくると、なかなかにキツい。受験勉強において、「あと残り294日・・・」なんて考えていたら、断言しますがまず心がへし折れます。努力そのものも、嫌になってしまうかもしれません。
僕なりのコツとしては、まず長期のゴールそのものは考えます。終わりなき旅路なんて言葉は、詩的な表現の拷問だとしか思えないためです。
例えば今なら、「体重を64㎏まで落とす」といったところでしょうか。
勉強であれば、「2学期中間テストの合計得点で、平均80点超えを達成」という感じです。
そしてそこから逆算して、中間目標を作る。果ては、毎日やることのレベルにまで細かくしていく。ここは腰を据えて取り組んでください。
勉強であれば、「模試」や「小テスト」を活用するといいと思います。
最後は意識の持ちようなのですが、その日その日のやるべきことを終えることにだけ、日頃は集中してください。将来の大きな目標は、普段忘れるくらいがちょうどいいのです。
ただし、時折それまでのステップの進捗と、中間目標までの差については検証を入れることをオススメします。それを踏まえて、新たなカードを切るか、このまま進めるか、判断をするためです。
このプロセスの大変わかりやすい例は、まさにRPGゲームです。王道のシナリオと言えば、最終的に魔界かどこかに君臨する黒幕を倒すことではないでしょうか。
それを最終目標として冒険に繰り出すのですが、しばらく経つとその存在はぼんやりと覚えている程度になり、気づけば次の町までのダンジョンや、待ち構える中ボスの打倒に、完全に意識が向いているハズです。
途中途中で「魔力を強化しよう」「一旦武具を揃えよう」「思い切ってパーティを変えよう」といった修正も入れるはずです。このプロセスと、実際に現実世界で目標に向かう際の姿勢は、僕は全く同じものだとさえ考えているほどです。
愚直に目の前の目標を達成していけば、いつか必要十分な装備と経験を備えたうえで、魔王に挑めるのです。それは、魔王から逆算されたコースを丁寧に辿っていったからに他なりません。
もちろん現実はゲームほどスムーズには流れないのですが、それすらも「おぉ、こうくるか」という風に楽しめたら最強です。その域には、まだまだ僕も全然届いていないのが本当のところなのですが・・・。
「頑張らない」の意味について
では最後に、「頑張らない」の意味について考えてみます。以下、完全に私見なので、そこはご承知おきください。
「頑張らない」という言葉の真意は、やはり「不必要な努力に無駄なエネルギーを削がれないよう工夫しろ」という意味だと考えています。
頑張ることは美徳と言われますが、悲しい話、ルールを理解せぬままにガムシャラな努力を重ねても、結果が出る方が稀だと言わざるを得ません。
キングオブコントに備えて、延々と漫才のネタ合わせを重ねるようなものです。求められるゴールを見据えてから、頑張ることは始まるのです。
実際、「すぐに行動しろ!」というタイプの人でも、そもそも膨大な経験値をストックしているか、あるいは「何を頑張り抜くか」を徹底して考えることから始めるかといった風に、ガムシャラな努力の裏がみえたりもします。
それを知らずに表面だけなぞっても、エネルギーと時間の無駄。僕自身、気が遠くなるほどの資本を溶かしながら、そのことを学んできました。
努力を継続させる最たるコツは、無駄を徹底して削り、無理に頑張らないこと。
これを意識して、皆様の頑張りを省みていただければと思います。
では、ここまでお読みいただき、ありがとうございました!