※以下、生徒に僕が話しているという設定でお読みくださいませ!
そろそろ私立中学入試本番が近付いてきたけど、どう?緊張してきた?
ここでそもそも論の話をするけど、『緊張』って良いもの?悪いもの?
―きっと、『緊張だ~いすきっ!』なんて人、多分いないよね?
どちらかと言えばしないにこしたことはない、してはならない、そういう厄介者のイメージが強いんじゃないかな?
今回は『緊張しない方法』じゃなくて、『緊張を別の視点で考える』という話をしたいと思います。
まず考えてほしいんだけど、『緊張しているとき』って、身体にどんな反応が出る?
顔が熱くなる?手が震える?顔がこわばる?筋肉に力が入る?なんなら、お腹が壊れる?
・・・最後のはちょっと例外だけど、緊張したときに出る身体への反応って、実は『戦闘態勢』のスイッチが入ったサインという説もあるんだよ。
確かに全力で敵に立ち向かったり、逆に捕食者から逃げたりするためには、血行を良くして身体を温めて、筋肉をこわばらせて相手の攻撃に備えておく必要があるよね?
ワンピースのギア2(セカンド)みたいなもんだよ。つまり緊張というのは別に悪いものじゃなくて、自分がやる気になった合図と考えた方が良さそうじゃない?
・・・少し話が変わるけど、『ゾーン』っていう状態を知ってるかな?黒子のバスケでも有名なアレだよ。別名『フロー』って言ったりもする。
これは『極限の集中状態』って感じで、全てが自分の思うがまま、それにしか意識が向かない、みたいな状態で、狙ってできるもんじゃー、ない。
気付けばゲームしてたら何時間も経ってた!そんな経験はない?それは多分、『ゾーンに入っていたから』なんだよね。
そして、だ。この『ゾーン』の定義には、うろ覚えだけどこんなのがある。
『身体はリラックスしているのに、精神が緊張している状態』
―こう考えると、繋がりが見えるよね?
理想の集中状態ってのは、結局緊張の先にあるもんなんだよ。
俺の例で少し話すと、確かにあれは『ゾーン』だったと思う最後の経験は、英検1級の二次試験だね。
試験会場に入っても、案内されるまでがちがちで、持ってきたお茶500mlは本当に数分で全部飲んじゃったくらい。あれほど緊張したのは久しぶりだったなぁ・・。
でも、試験が始まったら、全てが吹っ飛んだ感じというかなんというか。
相手が言っていることが全部わかるし、解答も英語で脳内に浮かぶというより、勝手に口から出てたね。試験時間10分が本当にあっという間で、気付けば終わってた、そんな感じだった。
結果は素点8割合格と上々だったかな!その経験もあったのと、過去自分の体験を振り返ってみると・・。
緊張したときの方が結果が良いんだよね。
逆に緊張の度合いが弱いときは、不思議と上手くいかないことが多い。投げやりみたいな心境で、諦めてるからだろうね。
―最後に話をまとめよう。
ケリー・マクゴニガルという心理学者の先生がいるんだけど、その人のセリフでこんなのがある。
ストレスは悪じゃない。ストレスは悪だと思いこむことが原因で、悪い方に作用するという話なんです。
―これは『緊張』にも言えるよね?
『緊張は悪いもの』としか思わないから、したら終わり、どうしたらいいという不安ばかりが立ち込めてくるということなんだよ。
だから、抑え込もうとかそっちを考えるんじゃなくて、『緊張してる。よし、私、準備できてる!』と思うくらいがちょうどいいってことだよ。
その上で例えば最初の数問にじっくり意識を向けることができれば、上手く深い集中に入って『ゾーン』という120%の力を出せる・・・なんてこともあるかもしれない。
少なくとも『緊張したからどうしよう!!!』よりも、『やっぱり緊張してるから、最初の問題は5分使おう』くらいの余裕を持った方が上手くいくし、実際上手くいっている人間もたくさん居るからね。
やっぱり、『緊張』は"友達"、怖くない。
こういう考え方も、ぜひ知っておいてくださいな。じゃ、今日の授業に入ります。
・・・という感じのことを話しました。
僕も相当な緊張しいですが、緊張した方が結果上手くいっている場面が多いというのは、経験則として強く感じています。まぁ、あくまで僕自身の話ですが。
だから最近は、何かに挑もうと決めた際、本番が近付いても緊張しない方が不安になってきます。逆に、緊張から始まると、かなり安心します。
最近ですと、実は正月特訓、緊張してました。今回もプリントをあえて刷新するなど、自分にプレッシャーをかけたためですね。人見知りだから、あまり会ったことの無い生徒だらけっていう環境が少し苦手ってのもありますが・・。
その時僕は内心、『よかった、これで良い授業ができるわい』と何故か嬉しくなってましたね。実際、結構良い感じに集中できたとは思います。(内容については生徒次第!!)
ということで、話し方は小学生向けですが、内容は正直全員に通じることだと思います。
少しでも『緊張』に飲まれる人、『緊張』を目の敵にする人が減れば嬉しいですね。
では、ここまでお読みいただき、ありがとうございました。