奇抜だけどやってることはどストレート
このあいだ原始時代の話をしていて、「みんな同じ服を着てるのはなんでだろう」って聞いたら、僕の中では「それしか材料がないから」っていう回答が来ると思ってたんですよ。そしたら「流行だから」だって(笑) 確かに、まあ流行っていたのかもしれない。
同じ材質しかないからみんな同じ服を着ている。でも、それを流行と言って何が悪いのかと。これいいじゃん、みたいな気もする。そういう時に僕は「おおー!」とか言いますけど、確かにふざけてると受け取られてもおかしくないですよ。真面目な勉強してるのに「流行」の一言で終わらせようとしてるんですから。
もちろんそれだけじゃ教育は成立しないので、「じゃあなんで流行になったんだろうな?」って考えます。考えるというプロセスを挟んだほうが定着しますね。やってることは奇抜に見えるんですけど、内容的にはどスタンダードだと思います。
大人も子どもも、みんな「認めてほしい」
–子どもも大人も共通するモチベーションアップのコツってあったりしますか?
まあ大人もみんな認めて欲しいんです。だからちょっとでもいいところを認めてあげて、後から注意したほうがいいですね。注意してから褒めても聞こえてない。
例えば最初の頃はただ「いいね」とか言うけど、最後に段々レベルが上がっていったらより具体的に褒める。料理だったら、最初は「美味しい」って言って。次は「今日の焼き方いいよね」みたいな。3つ目になると「このソースと焼き方のバランスが絶妙」みたいに、段々詳しくしていって。
あと、褒めるときもちゃんと褒めないといけないですね。せっかくテストで満点を取っても、お母さんが忙しい時に見せたら、ただの紙切れなので。その絶妙なタイミングを探す必要があります。
だからそれはいまでも演出してあげるようにしています。漢字で満点取った子がいたら、そいつにさよならしてから家に帰るまで20分くらいあるので、その隙にその子のお母さんに電話をして、「やりましたよ、ついに」と。「頑張ったねって褒めてあげて、今日は赤飯炊いてください」みたいなことを言う。ここは女優になりましょうと(笑) 知らない体で聞いて、爆発的に喜んであげてくださいと。
そうすると子どもが帰ってきてニヤニヤしてるけど、お母さんはもう知ってるからちゃんと聞いてあげるわけですよ。そこで何かあったの?って聞いて、喜んでウワーってなって、次の日うなぎを食いに行ったりね。だから、いいことがあったら電話します。ここぞの時はやっぱり皆で褒めたいですね。
見てくれてるって感じることは大人も子どもも大事。そのためには、やっぱり演出というか、どこかで一気に盛り上げたいタイミングを見極めて、目一杯やってあげたいなと。
いかがでしたでしょうか?
沼田先生の人柄や熱意がすごく伝わってくる内容だったと思います。
大人が上手くきっかけを与えれば、子どもかたは自ら学びを求めようとする行動が出てくるということですね。
ぜひ、子どもへの接し方に一工夫するきっかけにしてみてください!