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この小学校の先生がすごい!子どもたちのやる気を引き出す数々の仕掛けとは

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「称号」にこだわると、九九も自発的に覚える

–U2とは…?

もちろん「Under2minutes」です。その時にサッカーのUnder 21とか、Under 23とかがオリンピックで流行ってたので、それに似せてUnder 2minutesと名づけたら、必死にやってくれました。毎朝九九の勉強やるんですけど、僕はタイムを測ってるだけなので楽だし。それをやってたら皆すぐに覚えちゃいました。

それでお母さんたちの反応が面白くて、あるとき面談で「先生どうしましょう、うちの子は帰って掛け算ばかり狂ったようにやってるんですよ」とか言ってくるんです。それって日本中のお母さんを敵に回してますよね? 「勉強しない」って言って嘆いているお母さんがたくさんいるのに、「しすぎて困る」って悩んでるんですから(笑)

そんなことを言ったらお母さんも大爆笑してました。要は子供がやりたくなっちゃうような環境をいつも作り出せればいいと思うんです。

「地域について調べなさい」ではなく、「今から観光大使ね」

–本当は嫌な作業ですもんね。楽しくさせるような工夫、どうやって思いつくんですか。

そもそも僕自身勉強が嫌いでしたので、そこがきっかけでしょうね。僕も興味のないことはとことんやらない性格なので。やっぱり勉強する意味ってわからないじゃないですか。だからわかる形にしてしまう。

この前、社会科で観光大使っていう取り組みをやってみたんです。それも「勝手に観光大使」っていうちょっと洒落た名前をつけて、「今日からみんな、観光大使に就任するからな」とか言ったら、子どもは「はぁ?」みたいな。

「全員好きな都道府県をやっていいぞ。パワポで資料作りにいくぞ」って言ったら、パワポ使っていいの?みたいな大喜びで。「戻るボタン」の素晴らしさと、ググり方、そして著作権についてだけ教えました。

子どもって説明書とかいらないんですよ。パワポをどんどん触りだすと上手いやつが出てくるので、それをプロジェクターで写して「どうやってやるの?」っていう学び合いが成立する。そうすると、「もっと写真が必要だよね」みたいな話になって都道府県について調べ出す。

もうその県についてすごく詳しくなって、最後に一人ひとりが観光大使としてプレゼンしたんですけど、やっぱり最後にまとめとしてノートにしないと書く力がつかない。そこで考えついたのが、「よしこれ、知事に送るぞ」と。それで本当に送ったんですよ、全知事に。

子どもは「またこの人変なこと言ってるな」みたいな感じでしたけど。でもノートにまとめて送ったら、知事からお手紙が来たり、お礼にクリアファイルとかを送ってもらったり、兵庫県からは「勝手になんて言わずに正式に特別観光大使に任命します」みたいな通知が来たり、島根県からは学校にゆるキャラ「しまねっこ」が来ましたね。

日直は「キャプテン」、班は「チーム」に

–知事に送るって言われたら頑張らざるを得ない。「観光大使」というネーミングも効いてますね。

そうなんです。うちのクラスは日直を「キャプテン」と呼びます。その日は1日中、サッカー選手が使う「キャプテンマーク」を腕に巻いています。班っていうのもなくて、「チーム」です。

単純に「日直」って言われるより「キャプテン」って言われた方が嬉しいですよね。たぶん大人だって班よりも「チーム」のほうがテンション上がるじゃないですか。

さっきの勝手に「観光大使」もやり方を変えただけで、実は「日本の国土を学ぶ」という社会科の普通の単元なんですよ、普通にやっても調べるわけがないので、いかにやりたくなっちゃうかを考えます。

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