山口市・宇部市の学習塾、そろばん・英会話、その他教育コンテンツいっぱいの(株)KAWASHINの川島です。
共通テスト(旧センター試験)まで残り1ヶ月とちょっと。
地方の小さな進学塾では共通テストは生徒に対して行う教育サービスの大きな区切りの一つとなります。
それだけ大学入試にとって共通テストは重要で、学年関係なく全ての高校生が意識する試験であることは言うまでもありません。
今年度からセンター入試から共通テストに変わるわけですが、さまざまなドラマがありましたね。
そして多くの受験生たちがその茶番劇に翻弄されました。
今日は現高3生の苦難について書こうと思います。
高大接続改革(高等学校教育と大学教育との接続)を目指すテストを実施しよう、ということで2013年ごろからセンター入試を見直し、高等学校教育の質の確保と向上を目的とし、センター入試の改造が始まりました。
当初は『共通テスト』ではなく『大学入学希望者学力テスト』という名称で、1年のうちに複数回実施されるという話もあり、当然今年度の受験生たちはそれに向け身構え、準備をしてきました。
また、
高大接続改革の何やかんやの目的達成のため国語と数学I・Aにはそれぞれ3問ずつの記述式問題の導入が予定されていました。
当然、今年の受験生たちはそれに向け身構え、準備をしてきました。
しかし、2019年12月17日に、文科省より共通テストでの記述式問題の導入を見送る旨の発表がなされました。
実際の採点者が実施数か月前まで確定しないことや採点ミスのリスク、自己採点との不一致率の高さなどが挙げられたためです。
そして共通テスト英語では、「話す」「書く」も含めた4技能を評価の対象とするため、民間試験の活用がなされる予定でした。
当然、受験生たちは特に「話す」の分野について身構え、準備してきました。
中には、高額のスピーキング教材を購入した生徒もいましたし、これに関しては現中学生の世代も同様でしょう。
そして結局、2019年11月に
- 受験会場が遠い地方の受験生に不利になる
- 種類が異なる試験の成績を同列に比較できるのか
- 仕組みが複雑で、大学ごとに試験の成績の利用法が異なる
- 採点の質や公平性を確保できるのか疑問である
- 障害のある受験生への対応
【Wikipediaから抜粋】
といったさまざまな要因から、結局延期となりました。
ちなみに、当時羽生田文科大臣の『身の丈にあわせて・・・』の発言が10月24日・・・。
【画像:2019年11月4日羽鳥慎一モーニングショーより】
かわしんの生徒たちもあの発言については、『意味がわからん。』『俺らのこと何も考えてない。』と憤っていたのを覚えています。
もちろん、記述への対策、英語4技能への準備を真剣に取り組んだ生徒は知識やスキルとして財産になります。
ただ、受験への準備として割り切って考えると無駄な時間だったと感じる部分もあります。
特に、実際に勉強した子どもたち自身はそんな思いが強いはずです。
結局、俺たちは何に向けてどう対策すればいいのか。
そんな思いで迎えた2020年4月。
共通テスト初年度の進級はコロナウィルス流行とともに始まり、新学期はスタートから約2ヶ月間休校。
ただでさえ不透明だった今年の受験は、さらに混迷を極めました。
ただただ決定していくのは暗いニュースばかり。
中でも部活動最後の大会が全て中止となったことは高3生たちの心を挫いていきました。
挙げていけばいけばキリがない。
わたし自身、ホームルームの中で『お前たちみたいな波乱万丈で外部要因に振り回される受験生は戦争でも起きない限り二度と出てこないと思う。こんなことないぜ。』と弱音を吐いたこともありました。
毎年恒例の夏合宿もなく、例年に比べ、燃え上がるような受験ではなかった気がします。
色々なことに耐えながら、どちらかというと粛々と・・・。
そんな彼らが1月16日・17日、運命の憎き(笑)共通テストを迎えます。
どんでん返しを繰り返し、大好きだった部活を取り上げられ、コロナウィルスと戦いながら、誰も経験したことのない受験を全うしようとしています。
「全国の受験生はみんな条件同じだろ。だからつべこべ言うな。」って言っちゃう大人がいれば逆に言ってやりたい。
『お前、こんな受験したことあるんか?』って。
どんな結果になろうとも、僕は彼らに言うつもりです。
『お前たちは今までの中で一番苦しい受験を経験した。だから一番成長したはず。今年味わった苦しみや、奪われた高校生活の思い出は、この先何倍にもなって大きな財産となって返ってくる。』って。
さあ、あと1ヶ月。
そして明後日は最後のマーク模試。
粛々と、声を上げることなく、心の中で炎を燃やそうぜ。
お前たちは絶対に最高の世代になると信じている。