山口市・宇部市の学習塾「かわしま進学塾」塾長の野上です。
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今回は、新聞記事から2019年の災害救助中に起こってしまった事故のお話。
人を憎まず、悲しみを乗り越えて前向きに生きる方のお話です。
2019年10月12日、夫婦は福島県いわき市内の平屋の自宅にいた。77歳の妻は持病の手術をして退院したばかりで、ベッドの上で過ごしていた。
台風で近くを流れる夏井川が氾濫したのは夜中。間もなく家の中に浸水し、水かさはみるみる増えていった。夫はベッドの片側を出窓に載せ、もう一方の下に畳やすのこを何枚も重ねてベッドの位置を懸命に上げた。「落ちたら溺れるから動くなよ」と奥さんに叫び、携帯電話で119番し続けた。
翌朝、水が引き始め、午前10時頃にようやくヘリが家の上に到着した。夫が庭先で見守る中、航空隊員が妻を抱きかかえ、約40m上空のヘリまでワイヤロープで引き上げた。「これで助かる」。ほっとしたとき、何かが落ちた。逆光でよく見えず、機材か何かだと思っていたが、再び降下した隊員が妻を抱え、ヘリに収容した。「女房だったのか」。頭が真っ白になり、泥まみれのまま病院に向かうと、変わり果てた妻の姿があった。
この事故は、救助中の「フックの掛け忘れ」が原因でした。背景にはヘリを使った訓練時間の不足。
東京消防庁は、ダブルチェックの徹底や地上との連携強化などの再発防止策を盛り込んだ。防止策として、複数人によるフック装着の確認や訓練の見直し、両手がふさがった状態でも緊急連絡できるハンズフリー無線機の導入、地上にも指揮役の隊員を配置することなどを挙げた。
同庁は4月、消防士長2人を戒告の懲戒処分とした。県警は2019年12月、業務上過失致死容疑で2人を書類送検。今年3月に不起訴となっています。
災害が原因とはいえ、人為的なミスで助かるはずだった妻を亡くした男性。
当時のネット記事にも、隊員への心ないバッシングのコメントも多数見られました。
賠償を求めて、裁判になってもおかしくありません。
そんな男性のもとに、救助に向かった隊員たちが謝罪に訪れたときのこと。
2020年1月、妻の救助に関わった航空隊員2人が男性が1人で暮らしていた借り上げアパートに来た。
泣きじゃくって謝る隊員に、男性は
「電線や木がある中を降りて来てくれたこと自体、神業だったよ。お盆や命日に東北の方を向いて、心の中で手を合わせてくれればそれでいい。」
「誠実にやっている人たちに怒るような女房ではない。天国で『一人でも多くの人を救ってほしい』と思っているはずだ」と伝えた。
いかがでしょうか?
わたしは、男性が隊員に掛けた言葉に、衝撃を超えて言葉がでませんでした。
いかなる場合においても相手の立場で考えられる、ご夫婦ともに素晴らしい人格をお持ちであることが伝わってきました。
ぜひ多くの方に知ってほしいと思った記事だったので、ご紹介させていただきました。