①速読(WPM計測)
センターに代わる新試験の問題を見ても思いますが、
やはり長文を速く読む力は必須です。
しかし、ではどうやってそれを鍛えればいいのか?というのも、案外アバウトです。
実は速読力を鍛える方法は、すごく身も蓋もありません。
速く読むぞ!と意識しながら、自分の実力よりちょい簡単な長文を読む!
これに尽きます。
だから最近は、学年問わず生徒に長文を配り、
以下の2つのルールに従いながら読め!と伝えています。
1.出来る限り速く読むこと!
2.ただし、意味は取ること!(新聞のザッピングみたく)
-その上で、速読力の高まりを追跡調査するため、
毎回掛かった時間を計測し、WPMという数値を出しています。
※WPMとは、簡単に言えば『一分間に読める単語数』のことで、『長文の語数÷掛かった秒数×60』で出ます。
ちなみに現在は、『WPM120くらいを目指そうぜ!』と全員に伝えています。
この速度で読めれば、とりあえず高校入試はだいぶ戦えるからです。
-では、その速度はどれくらいなのか?早速体験してみましょう。
以下、実際に使用している長文の1つです。
(著作権がめんどくさいので、最近は自分で書いています。)
何秒で読めるか、チャレンジしてみてください。
(意味は取ってくださいね)
My fist vs two tiles (270語)
About ten years ago, I went to Yamaguchi to go to Yamaguchi university. I was very ※nervous because I was very ※shy.
“How can I make friends?” I was worried about it.
I chose a club to ※explore many caves. It held an event for us to understand each other. In the party, we needed to do something – which was called “ippatsugei”. Then, I was worried about it. What should I do? What can I do?
When I was getting home, I got an answer. I found some ※tiles around an ※abandoned house. Then I thought, “Is it good idea to break them with my ※fist?” I took them.
At the party, I said, “I’ll break these tiles by my ※punch!” Everyone laughed. Then, I ※smashed them with my right hand. I broke one of them. Next, I broke ※the other with my left hand. When I finished it, everyone looked excited. I was also excited.
However, after that, my right hand felt nothing. I started ※sweating. Everyone was worried about me. I said “it’s OK….” but actually, it was not OK.
The next day, I went to a hospital to check my hands. The doctor said, “Your right ※little finger is broken.” I was very surprised at it, and he ※added, “it will take about one month to ※cure it.” I was disappointed.
But everything wasn’t bad. Members of the club remembered my name! They always said, “Oh, you are the ※foolish who broke your finger by ※yourself!” I was happy to hear that.
注
nervous・・心配な shy・・人見知り explore many caves・・多くの洞窟を探検する tiles・・瓦 fist・・拳 punch・・パンチ smash(ed)・・ぶん殴る(った) the other・・他の sweating・・汗をかく little finger・・小指 add・・付け加える cure・・治す foolish・・バカ yourself・・お前自身で abandoned house・・廃墟
―正直細かい文法ミスはあるでしょうが、
『生徒の』読みやすさを優先しているのでご了承ください。
では、WPM120とはどれくらいなのか?
ここに書いてある英語を、意味も何となく取りつつで、
2分15秒で読み切るくらいです。いかがでしたでしょうか?
現状この数値を超える生徒はまだチラホラという具合ですが、
全体的にはスピードが上がってきているので、これは今後も継続していきます。
②間違い探し
『論理的思考力』『作文能力』といったものは、
昨今すごくトレンドになっていますが・・・
これまた鍛え方はどうやらすごく身も蓋もないもののようで。
それは、
四の五の言わず実践的なトレーニングを積め!
というものです。
そのトレーニングは色々とあるのですが、
一番簡単なのは何かを考えたとき、最近は
間違い探し
をメインで行っています。
これは実際に紹介した方が早いでしょう。
少しチャレンジしてみてください!
Q次の文章には、文法や誤字脱字など、不自然或いは誤っている箇所が7つある。
そこを指摘し、正しく直しなさい。
私は、二十代で結婚するのは、少し早いと思います。なぜなら、今の世の中の状況を考えると、そこまでして急ぐ必要はありません。
例えば、人生で始めて結婚する年齢を『平均初婚年齢』と言いますが、2015年の時点でのそれは、男性も女性も三十歳前後となっています。しかし、二十代での結婚は全体の平均と比べて早いと言えます。
で、『自分の時間を大切にしたい』『まだまだ結婚資金が貯まらない』と答える男女の割合も増え続けています。これらの思いを重視すると、必然的に、結婚に踏み切る年齢を遅くする必要があることです。
もちろん、『二十代で結婚が妥当だろう!』と考える意見もあります。しかし俺は、そういった声に応え、両親の顔を時折頭に浮かべながら、出来る範囲で『結婚』というゴールを目指し、駆け抜ける所存でございます。
はい。内容はさておき、
これを生徒20名ほどに制限時間10分で行わせたところ・・・
どんなに頑張っても6つが限界でした。
では、どこがおかしいのか?
軽く解説してみます。
先ほどの文を再掲し、直すべき箇所を太字にしてみましょう。
私は、二十代で結婚するのは、少し早いと思います。なぜなら、今の世の中の状況を考えると、そこまでして急ぐ必要はないと思うからです。
例えば、人生で初めて結婚する年齢を『平均初婚年齢』と言いますが、2015年の時点でのそれは、男性も女性も三十歳前後となっています。つまり(すなわち・だから)、二十代での結婚は全体の平均と比べて早いと言えます。
また、『自分の時間を大切にしたい』『まだまだ結婚資金が貯まらない』と答える男女の割合も増え続けています。これらの思いを重視すると、必然的に、結婚に踏み切る年齢を遅くする必要があると言えるでしょう。
もちろん、『二十代で結婚が妥当だろう!』と考える意見もあります。しかし私は、『別に必要ない』という自分の価値観や想いを大切にして、しばらく独り身を満喫し、二十代を充実させようと思います。
―どうでしたか?
ちなみに全生徒が発見できなかった7つ目とは、
最終段落全てが主張と食い違っている
というモノです。(違和感があることに気づいた生徒はいましたが)
さて、ではなぜこれが『作文力』等の向上に繋がるのか、という話ですが・・・。
この7つのミスは、作文の添削をしていて非常に目立つそれだからです。
しかし、自分で書いているうちはなかなか気づけないもの。
『誤りはどこだ?』『正しい書き方はなんだ?』
というのを口やかましく言わずとも、自然に考える。
その手段として、間違い探しはかなり効果が高いと感じます。
―ということで今日は、あくまで一部ですが、
僕が集団授業で行っていることを紹介してみました。
もちろん各科目の単元の説明も行いますし、演習の時間も取っています。
そのうえで、というお話なので、ご安心?ください。
それでは文字数が4000を超えたので、この辺で終わります。
お読みいただきありがとうございました!