得点率とCSEスコアの不可思議な関係。
まず英検を受検されたあとに一番意味不明と思うのは、CSEスコアという謎の存在です。
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/eiken-cse_admission.html
https://www.eiken.or.jp/eiken/exam/eiken-cse_admission.html
このCSEスコアというのがクセモノで、単純に満点を総問題数で割っても、配点が出てきません。
例えば英検3級は、各技能ともCSEスコアでは550点満点とされています。
ということは単純計算、例えばリスニングの1問当たりの得点は、550/30≒18.3点のはずです。
リスニングが22点だった生徒を例に挙げましょう。彼はCSEスコアで396点だったのですが、これは18.3×22点よりも若干少ない点数です。
―これはあちこちで検証されていることなのですが、どうやら1点当たりの配点は、4~7割ほどの正答率までは低めで、それ以下またはそれ以上だと急激に高くなるというものらしいです。
バランス良い得点率じゃないと合格は難しいよ、という旨のセリフを英検協会が出しているのも納得です。
とはいえ、ある種極端な得点率の生徒が受かっていたり、一見バランスが取れている得点率の生徒が落ちていたり、やはり一貫性を見ません。さらなる分析が必要そうです。
―ということで今度は、当塾で得たデータを用いて、合否を分ける壁をより詳らかにみていこうと思います。
各級の正当数と得点率早見表。
今回は母数がやや多い、3級と準2級に絞って検証します。
まず3級のCSEスコアは、ざっくり各技能で385点以上取れていればOKと言えます。
ということで今回の受検生データを表にまとめました。黄色は、合格ラインに届いていない部分です。
ちなみに純粋な正答数のことを【素点】というのですが、リーディングとリスニングの素点における合格ラインは6割程度、つまりそれぞれ18点と言われています。
一方ライティングは6割≒9.6なので、10点あればイケる・・・という話になるのですが、現実そうシンプルじゃなさそうです。
例えば、リーディングは恐らく18点取れれば385を超えてきますが、リスニングは20点取っても385を超えてきません。
それはライティングも同じで、素点が6割あれば絶対安全だ!!!とは口が裂けても言えなさそう、というのが実際のところです。
このことが視覚的にわかるよう、グラフにもしてみました。
素点が高ければちゃんとCSEも高いのですが、ライティングは特に、素点が12点を切ったあたりからがくがくっと下がってきますね。一方、リーディングとリスニングは、多少得点が低くても、ダメージが少なめです。
つまり3級の傾向として見えるのは・・・
英作が12点以上取れていれば、
リーディングとリスニングが
5割程度の得点率でも合格できる!!
ってところですね。
特に幼いころから英語を習っていた、とかじゃない限りは、
いかに点数を引かれない英作文を書いて、
そしてリーディングの部分で6~7割をもぎ取るかが要だと思います。
では次、準2級の検証に移りましょう。
準2級は大体440点以上、各技能におけるCSEで取れていれば合格です。それを踏まえてみてみましょう。
準2級は3級ほど極端ではなく、6割程度の正答率で合格点を超えることがわかります。
しかし一層顕著なのが、ライティングが5割を切ると、他の技能で挽回が不可能なくらい引かれることですね。
実際グラフに起こしても、ライティングが顕著にがたがたなのがわかります。
ということで関係性としては3級に似ているのですが、
ライティングの得点率が5割を切ると、
他の2技能での挽回は極めて難しい!!
と言えます。準2級を受検するのなら、ライティングの能力を鍛えることに一定量は注力しないと、色々厳しいと言えるでしょう。
―ということで検証はこの辺にして、最後は【後期の検定対策】について、特に四技能全て問われる3級以上について、ここで得た知見をどう生かすか書いてみます。
要するに決意表明でもあり、告知でもあり、宣伝でもあるのですが、もうちょっとだけお付き合いください。