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「お土産問題」ってなに??名門武蔵中学校の入試問題がアクティブすぎる!!!

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武蔵が公式に発行している「武蔵中学校入学試験問題」の冊子に掲載されている解答例はこうだ。

〈解答例〉

上からみると、Aの頭の形は丸いが、Bは正六角形になっている。Aの上面には正六角形のくぼみがあるが、Bの上面は平らになっている。横からみると、Aの頭の側面にはギザギザがあるが、Bにはない。Aのネジのみぞは、途中からはじまるが、Bのネジのみぞは上から下までずっとある。頭の部分はAの方が厚いので全体の長さはAの方が長く、Bの方が短い。

 

シンプルだ。問われていることに端的に答えればいい。図に関しても、美術の試験ではないので立体的に模写したり陰影をつけたりする必要はない。冊子の「講評」には、「受験生の多くが、2種類のネジの違いを認識できていることは伺えたが、『情報を正確に伝える』ことが不十分である答案が多かったのは残念である」とある。

 

入学試験問題は学校からのメッセージ

武蔵は毎年入試問題に込めた意図や解答例および受験生たちの答案への講評を冊子にまとめて公表する。入試問題こそ、学力観・教育観の表明であるという思想があるからだ。2013年には『武蔵クロニクル 入試問題で綴る武蔵高校・中学の50年』という400ページを超えるDVD付きの記念誌をつくったほど、入試問題への思い入れは強い。

特に「おみやげ問題」には武蔵の学力観・教育観が凝縮されている。入試のその場で、本物を観察して考察する。予備知識はほとんど必要ない。先入観をもたず素直に観察し、気付いたこと考えたことを述べればいい。そのようなことを楽しいと感じられる子供こそ武蔵で学ぶにふさわしいというメッセージが込められている。

ほかにも理科では実験結果のグラフを示し、そこから何を読み取り、どう考察するかを尋ねる問題がよく出される。共通するのは「どうしてそう考えたの?」と根拠を問うことだ。知識量よりも科学的に物事をとらえる姿勢を試している。

「武蔵では入学後、たくさんの科学実験を行います。目の前で起きていることを素直に観察し、それがどういう原理に基づいているのかを自分の頭で考察し、内容が正確に伝わるレポートにまとめる訓練をくり返します。薬品を混ぜると色が変わるとか、爆発するとか、マジックショーみたいな実験ではありません。泥臭い作業をくり返し、地道にデータを積み上げます。しんどいのですが、それが科学や学問の礎です。それに耐えられる素養を入試では見極めます」と物理の島崎亮浩教諭。

「おみやげ問題」を見ても好奇心が刺激されず、自分の頭で考えもせず、さっさと模範解答を見ようと思ってしまう子供はきっと武蔵には向かない。

社会も国語もほとんどが記述問題である。いずれも長文を読んで、その内容に沿って問いが立てられている。「何か?」と知識を問うものは少ない。「どうしてか」「理由を説明しなさい」という問いがほとんどだ。それがそのまま入学後の授業の形式に通じる。

算数でも単純な計算問題は出てこない。しかも算数の問題は、いまだに手書きである。例年大問が4問。それぞれ筆跡が違う。武蔵生が見れば誰が出題者か一目瞭然。これもある意味伝統だ。実は、武蔵の数学の授業では、門外不出のオリジナルテキストを何十年も前から使っている。そのテキストもいまだに手書きなのである。

たとえば中学生の幾何のテキストの第1章は、ほとんど歴史の教科書である。幾何学の生い立ちから始まり、それが紀元前3世紀ごろにはユークリッド幾何学として体系化されるがその曖昧さが解決されるのを人類は一九世紀の終わりまで待たなければならなかったことなどが、味わい深い手書きで記されている。数学の世界を切り拓いた先人たちへの敬意がにじみ出る。

それに比べると、一般的な数学の教科書では、その結論に至るまでの人類の苦労や膨大な時間がきれいさっぱり漂白されてしまっている。はじめから結論が存在していたかのような錯覚さえ覚える。それではいけないというのが武蔵のまなびのスタンスだ。

 面倒くさいと思うだろうか。実際、面倒くさいのだ。でもそれが武蔵。「そう簡単に答えが出るわけがないじゃないか!」そんなメッセージが、学校全体に呪文のように響き渡っているのである。

 

「世の中の変化は速い。教育も変わらなければいけない」とはよく言われるが、これからの時代に必要な教育とは、案外懐かしいものなのかもしれない。

 

 

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「決められた問題に決められた解答で答える力」を身に付けさせることがわたしたちの仕事です。

ただ、子どもが「見たことない問題に出会ったときにあきらめずに考える力」も

わたしたちは育てなきゃいけないなあ・・・。と感じました。

 

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