大問5
(1)空気中において、音を伝えるものは空気!
(2)531Hzの音の波形を基に、1063Hzの音の波形を選ぶ問題です。振動数が約2倍になっているので、図4に比べて音が高くなっているもの、
つまり音の波形の山と谷が増えているものを選びましょう!1と2ですね!
(3)あ について、底から水面までの長さ...と答えたくなりますが、ちょっと待ってください!
表1を見ると、底から水面までの長さが2cmのときのAと、4cmのときのB、6cmのときのCの振動数が全て同じです!!
これらのとき、試験管の上端から水面まで12cmになっています。(試験管Aの長さ14cm、底から水面まで2cm=上端から水面まで12cm)
というわけで「底から水面まで」ではなく「水面から試験管の上端まで」「試験管の上端から水面まで」と書くべきでしょう。
い・う については、表1をそのまま読み取ればOK!もとの試験管の長さが長いほどはじめは音が低く、長さが短いほど音の高さが大きく変化しています。
なので1ですね!
少しひっかけもあり、文章や表など、実験の結果から何がわかるのかをアウトプットする練習が十分でないと難しい内容だったと思います。
新3年生はこういうところを勉強しないといけないですよ!!
大問6
(1)卵生
(2)ア 血液中の液体成分は血しょう!
イはヘモグロビンの性質としてきちんと覚えておきたい記述問題です。
「酸素の多いところでは酸素と結びつき、酸素の少ないところでは酸素をはなす性質」!
(3)血管はからだの末端部にいくほど細くなっていきます。なので、下線ウの記述から、A側が頭部(心臓)側だと考えられます。
(4)ヒメダカは、えら(人間でいう肺)で酸素を取り入れています。なので、動脈血が「体の各部」から「えら」に向かっている2,4はNG!
心臓での血液の巡りは心房⇒心室の順ですから1が正解になります。
生物分野の基本と、最後の(4)はやや難しい内容で、ヒメダカのからだのつくりを完璧に暗記している人はそうはいなかったでしょうから、
人間のからだの知識をもとに解いていくことができていれば解けた問題でした。ここは差がつく問題だったと思います!
大問7
(1)くもりは二重丸!!◎です!なので4
(2)も、ほぼ暗記系の基本記述問題です。「線香の煙を核とすることで水滴を発生させやすくするため。」ですね!
(3)ア は上昇気流がどんなときに発生するかの問題です。押し上げられるのは暖気で、地表が熱せられ、空気が膨張することで上昇気流が起こります。なので、3!
イ は、上空にいくほど空気がうすいので大気圧つまり大気の圧力・気圧(どちらでもOK)が下がります。
そうすると、温度が下がって水蒸気が水滴になり、雲ができます。自然界での雲のでき方と同様のものは、⑥のものですね!
こちらも定番の実験の結果から考察する問題です。基本的な知識と、長い文章の中から必要な情報を取捨選択する能力が必要です。
また、知識さえあれば自ずと答えの見当はつくので、いろいろな問題を解いておくことも重要です!!
大問8
(1)電解質
(2)2HCl→H2+Cl2 化学反応式なので、イオン反応式を書かないよう注意!
(3)ア「中和によって水素イオンと水酸化物イオンが反応し、水になったため」ですね!中和が起こると即座に水素イオンと水酸化物イオンは反応し、水になります。
イ 実験1の問題文をもう一度読むと、実験1では2%の塩酸4mLと、2%の水酸化ナトリウム4mLで実験しています。
そして、実験2の表2を見ると塩酸の体積と水酸化ナトリウムの体積をバラバラに実験していることがわかるので、4 混ぜる割合について実験していることがわかりますね!
問題文が長く、意図もつかみづらい問題ではありますが、こういった長文の入試問題を解く練習をしっかりしていれば問題を解くために必要な情報を探し当てることができたと思います!特にこのような、「どの条件を変えて再度実験を行ったのか」「どのような仮説をたてたのか」という問題も新中3生は練習必須ですよ!
最後!大問9
(1)熱放射
(2)地下でゆっくり深成岩
(3)点B,Cのろうは溶けていて、点Dでのろうが溶けていない!ということがポイントです。
1つ目の選択肢では、20秒と80秒がありますが、20秒ではどの金属板でも点Cのろうは溶けていません!なので自動的に80秒後が正解です。
2つ目の選択肢では、80秒のとき、銅板だと、点B~D全て溶けているので✖、鉄板では80秒時点で点Cが溶けていないので✖です。
なのでアルミニウム板が正解になります!よって、5
(4)文章で書かれていることはかなり難しいですが、要は最高温度のとき(60秒のとき)から1秒あたりどれくらい温度が下がってますか?
という問題なので、60秒のときと180秒のときの温度の差を時間差である120秒で割ると求められますね!
(5)実験1の結果から、銅は点Dのろうが溶けるまでの時間が最も短いです!
ということは、2.金属全体に熱が最も伝わりやすいことがわかります。
また、鉄を入れた後の水の温度が最も高いことから、ずっと鉄は熱いままだったということがわかりますね!
つまり、3.金属全体の温度が最も冷めにくいが答えになります!
R4年度の入試の中で最も文章量が多く、言葉も難解なものがあえて使われているように印象を受けました。
まずは集中力をしっかり持続させて最後まで問題を読み切る能力が必要であること、
また金属の種類による熱伝導性の違いは覚えている人は少ないでしょうから、これもやはり資料を読み取る力がとても重要な問題という印象です。
総評
まずは、計算問題がほぼなくなったことが驚きでした。
また、実験結果からわかることを記述する問題はありましたが、どれも新研究や教科書などに載っている内容のみで、これまで問われたことがないような自分で考えて記述しなければいけない記述問題はありませんでした。
しかし問題文の、長ったらしい説明的文章など、そういった面では難化しているともとれます。
といっても多くはやはり基本の知識が問われていたので、そういった問題をいかに落とさないかが今年の理科の命運を分けていたと思います。
また、理科の入試最後の問題で定番となりつつある日常生活と理科を結び付けて考えさせる問題において、常日頃から「なぜ?」という疑問を持ち、それを調べるために必要な考え方など、幅広い知識を求められる問題の対策は、やはり知識を増やす・問題をこなす以外にありません。
理科が入試で武器になるように、入試直前期に焦ることのないように新3年生は今、受験勉強のスタートを切りましょう!
以上で理科の入試解説を終わります。